出逢いと、別れ。











裏切りが怖かった。

だから誰も信じないよう、心に火を燈さぬよう生きてきた。

笑顔を備えた瞳の奥は、獰猛。

誰も寄せ付けない、心から愛さない。













だけど本当は寂しくて、切なくて。苦しくて。

愛が欲しい、ただ私だけを抱きしめて欲しい。

そんな誰にでもある我侭で、心は破裂寸前だった。

それを言葉に出せない不器用な私は、ただ心で泣くしかなかった。



















そんな私に腕をまわし、髪を優しく撫でてくれたのは貴方だけだった。

信じるとか、愛してるとか、そんなことはもうどうでも良かった。

傍にいるだけで切なくなる程、心と心が繋がる感覚。

貴方だけがいれば良い、そう狂いそうになったこともあった。















だけど、必ず離れる日はやってくる。

貴方が傍にいない、冷やかな朝と夜が交互に私を責める。

零れる涙に、貴方を恨んだ。

知らなければ、ずっとずっと一人で生きていけた、と。





















だけどいくら恨んでも、貴方への思いは零れ落ちていく。



誰よりも必要なの、誰よりも。

























永遠、再びあの人に出会う日は来ないかもしれない。

別れは人と人の間に高い壁を作り、心を閉ざさせる。













だけど、信じたい。またいつか出会えると。



人の一生は、別れの後に必ず、出逢いがあるはずだから。

























変わらぬ笑顔を愛せる、優しい人間になれますように。































(涙も嗚咽も人の綺麗な部分から醜い部分まで、全て愛せる大人に、いつかなりたい)