君を忘れたかった











この眼に映らなければ、気にせずにいられた。

この手に触れなければ、あのままでいられた。





人間の大部分は、後悔でできている。





















君は気持ちを知っていたはずだ。なのに、僕を振り回す。自由奔放。

我慢しようと握り拳をぎゅっとしてみた。だけど、どうしようもなかった。









君を忘れたかった。

忘れさえすれば、君を想い苦しくなることもなくなる。

恋愛は狂気。恋情は凶器。

嗚呼、いっそ全てを投げ出せたら…どれだけ幸せになれるだろうか。













握り締めた拳は、振り落とす場所もない。

虚しいけれど、君を忘れることもできなくて。

明日こそは、そう思うけれど。











僕の中の大部分を占める後悔が、僕ににじり寄る。















もうこの視界に、君をいれたくはない。

















(君の熱も声も顔も全て、忘却の彼方に追いやりたい…だけど君は僕を決して、離さない)